ユニバーサルデザインは新しい言葉で、1980年代に考えられました。万能なデザインという意味を持っており、UD(Universal Design)ともかかれます。多くの人たちが利用することのできる物や建物を作りたいと考え始めたのです。障害がある人のためだけではなく、みんなのことを考えているデザインというのがユニバーサルデザインの特徴で、小さな物から大きな建物、公園などの地域にあるものまですべてに言えることです。
ユニバーサルデザインは、次の7つのことを守って作ろうというように決められています。すべてを満たすものは難しいですが、できるだけみんなが使えるようにと7つのことが考え出されました。
みんなが使いやすいすごしやすい空間を作るユニバーサルデザインなのですが、どのようなものがあるのでしょうね。物でいうとペンやはさみなどの文房具は良く使うものですから、もっと使いやすいように変えられると良いですよね。今では、力をかけなくても切ることのできるハサミや、どのように持っても書けるペンが作られています。空間のことであれば、滑りにくい床にしたり案内の矢印を大きくつけたりと目で見てもわかりやすく、安全なデザインがされています。
色(カラー)の見え方は、人によってちがいます。男のひとであれば20人にひとり、女の人は500人にひとりが色を見分けるちからが弱かったり、区別が付かなかったりします。色が分かるかどうかは外見ではわかりませんし、自分で気が付いていない人もいます。
色には、明るさや色合いなどの組み合わせで見ることができます。みんなが同じに見えているわけではなく、赤色が茶色とおなじであったり、ピンクが水色と区別が付かなかったりする人もいるのです。色の区別がむずかしいと、まわりのも物の見え方がぜんぜん違ってしまいます。濃い色が見えて、薄い色が見えないというわけではありません。そのため、カラーユニバーサルデザインを考えるときには、色の組み合わせに注意をして行います。
黒板に使うチョークの色を考えてみましょう。赤と呼んでいる色って本当はピンクですよね。もし、まっかな色で濃い緑色の黒板に書いてみると、色の区別ができる人でも後ろの席からは見えにくいはずです。見えにくい赤をピンクに変えたのは、ユニバーサルデザインを考えてのことではなく、昔から使われていた色ですよね。でも、最近ではより見えやすいように改良されています。地下鉄やJRの路線図はたくさんの色が使われていて、交差しているので色の使い方の工夫が必要になります。地図や案内図など、多くの人が利用するものでは、カラーユニバーサルデザインされている事が多くなりました。これからどんどん増えて、みんなが見やすい色になるといいですよね。
ユニバーサルデザインとは、「万能な設計」がされているものなので、だれにでもかんたんに使えるようになっています。小さな子供や大人のことも考えて、みんなが生活しやすいようにデザインがされている場所や物のことをユニバーサルデザインと呼ぶのです。それにたいしてバリアフリーは、体を自由に動かすことがむずかしい人のことを中心に考えてデザインをされています。例えば、車イスを使っている人やおとしよりの行動がもっと楽になるようにデザインをしているのです。でも、バリアフリーにするのも、今ではユニバーサルデザインの中のひとつと考えられています。
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